御嶽山のニュースを毎日見ていた。
噴火したせいか、御嶽山という漢字は、怖い感じがする。
御嶽山は大量の火山灰を吹き出し、救援隊のブルー・オレンジ・モスグリーンの制服を全てグレーにしていく。
火山灰は雨でコンクリートのように粘着性を持ち、固まっていく。
毒性の火山ガスは、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)。
マスクではすべての火山ガスを防げないらしい。
酸素ボンベを利用すれば火山ガスは防げるが、ボンベが重いので救助活動の妨げになる。
救援の映像を見ていると、時々マスクすらしていない人がいた。
空気が薄いから、マスクをすると苦しいのだろう。
自分の体が痛んでも救助をする人に感動する。
いろいろなことを知る。
ニュースで「硫黄のような臭いが立ち込めています」と言ったテレビのアナウンサーに、東大教授が「硫黄は無臭だ」と言ったとか。
アナウンサーは「硫化水素のような臭いが立ち込めています」と言うべきだったとか。
正しく言うべきの教授派と、学術的には間違っているけどメディアで慣用的に定着しているというアナウンサー派がいる。
私は教授派。
正しいことを定着しなおしたほうがいいと思う。
こんな意見もある。
↓
>「硫黄のにおいががする」に「硫黄は無臭だ」と返した恥ずかしい理系教授
http://anond.hatelabo.jp/20140930203935
>※追記
>「語源がこうだから」という話ではなく正確に「硫化水素の臭い」と言ったほうがいい、という意見について。
>日本では、元素Sの意味の硫黄という言葉と、ユノアワの意味の硫黄という言葉が、現在でも並行して使用されています。ユノアワの意味が硫黄から消えてしまったわけではありません。
>その上で、日本の報道番組で一般の日本人により広くわかりやすく伝えるには、化学に正確な「硫化水素の臭い」と言うか、日本人に馴染みのある「いおうの臭い」と言うかの話です。(もちろん別の選択肢もある)
>テレビ局のリポーターが「いおうの臭い」を選んだことは、今回つっこまれているようなおかしなことではありません。
>がしかし、これからは科学立国日本としてメディアは正確な科学用語を話すべきだ、という趣旨の元、硫黄のユノアワの意味を封印するという選択肢は否定しません。
……と書いていたので、硫黄の語源を検索した。
>【硫黄の語源・由来】言語由来辞典より
>硫黄を古くは「ユワウ(ユオウ)」と言った。
>『和名抄』には「硫黄」に「ユノアワ」の訓があることから、「ユアワ(湯泡)」が転じて「ユワウ(ユオウ)」となり、「イオウ」になったといわれる。
>「硫」は「石」と「流」の略体からなる字で、火山の噴火物が流れて生じる鉱物を表し、漢音では「リュウ(リウ)」、呉音では「ル」と発音する。
>これを日本化して「ユ」と発音し、「黄」の呉音「オウ(ワウ)」から「ユワウ(ユオウ)」となり、「イオウ」になったとする説もある。
私は日本人だが、「いおうの臭い」という言葉に馴染みがない。
混ぜてはいけないものを混ぜたこともないし、山派ではなく海派なので、旅行に行って温泉に入ったのは二度ぐらいしかない。
「多分、あれが硫化水素の臭いだろうな」というのは、覚えているようないないような。
もし二つの意味の硫黄という言葉が存在するのなら、文学作品の中または一般人の会話では「硫黄の臭い」を使うのはアリだと思う。
でも映像や音声のみで伝えるニュースでは臭いは伝えられないので、科学的に正確な言葉を使うべきであると思う。
今回ユノアワという言葉を初めて知ったのだが、「硫黄の臭い」よりも「ユノアワの臭い」のほうが、趣があると思う。
また「硫黄の臭い」よりも、「温泉の臭い」のほうが分かり易いとも思う。
ニュースでは、「硫化水素臭」「ユノアワ臭」「温泉臭」「腐卵臭・ゆで卵の臭い」が合うのではないか。
昔、「気圧の単位のミリバールをヘクトパスカルにする」と決定した時、私は「やだー!ミリバールのほうが柔らかい表現で好きなのに~。ヘクトパスカルなんて、固すぎるよ~舌を噛んじゃうよ~」と思っていたけど、天気予報でヘクトパスカルと言い始めたら、すぐ馴染んだ。
「脱法ハーブ」も「危険ドラッグ」に呼び方が変わったけど、すぐ馴染んだ。
ニュースや天気予報の決まり文句が変わってもすぐ馴染む私は、頭が柔らかいのかも。
でもテレビがなくてもいいよ派でもあるので、嫌なら見なければいいのかな。
テレビ以外のニュースの報道には「硫黄の臭い」以外を使って欲しいと思う。
私は卵の腐った様子を想像できないので、一度腐らせて観察して嗅いでみてもいいかもしれない。
ユノアワという言葉を知ったので、勉強になった。