BL◆父の肖像
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「見つけた!」
 自室に戻ってアルバムを隠し、出ようとしたところで昭義の声がかかった。
「うーん、盲点だったな。まさか自分の部屋にいるとは思わなかった」
 雅俊と久美子はとっくに見つかっていたらしく、悔しそうな顔をして昭義の後ろに控えている。
「ふふん。こういうのを、灯台下暗しっていうんだよ」
 拓見は平静を装って偉そうな口をきいた。
 幸いだれも、彼の変化には気づいていない。拓見は先に立って居間へ戻りながら、ことさら明るくゲームの続きを促した。
「こんどの鬼はだれ? さーて、つぎはどこに隠れようかな……」
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まろやか連載小説 1.41