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第5章/いくつもの未来
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 ミハイル‐H一〇〇八五〇七と入れ替わりに意識を取り戻したとき、ライナー・フォルツは、自分がまだマリオン・カポンの別荘にいて、セクサロイド・ショーに出演している最中なのかと錯覚してしまった。
 手足を拘束され、前後から激しく突きあげられている。周りを囲むのは屈強な男たち。彼らのやり方は手慣れていて、緩急をつけながら的確に追いあげてくる。
 全身の細胞がざわめき、苦痛と歓喜の悲鳴を上げていた。
 肌という肌をくまなく刺激され、内側は抉られかきまわされて、息をつく余裕もない。閃光のように通りすぎる絶頂寸前の高ぶり。くりかえされる強烈な緊張と弛緩。とろけるような恍惚。
 世界が目の前で粉々になり、すべての感覚が高みへと駆けのぼっていくが、あと少しで絶頂にはいたらない。
 だがライナーは、その苦しみをも楽しむすべを心得ていた。
 悦びの叫びを上げながら、身をよじらせ、さらなる苦痛と快楽を求めて、自ら男たちに挑みかかった。
 視界の端に、黒髪の女の姿を認める。
 彼は顔を上げ、デイル・ホークスに向かって笑った。
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