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Gの嫌がらせ

地球には、Gという生物がいる。
私は大嫌いだ。
黒や茶色で触角が長く、ガサゴソと動き、たまに飛ぶ。
二度飛んだのを見た。

一度目は、昔、洗面台でシャンプーしようとしたら、Gがいた。
殺虫剤をスプレーしたら、壁の隙間に入ってしまった。
「あれだけスプレーしたら、逃げたけど動けなくなるだろう。ははははは。人間様は強いのだ~」と楽観していた。
しかし、シャンプーが終わった後、Gが壁の隙間から出てきて飛んで、私の頭にぶつかって、そのまま飛んで逃げた。
……私は泣きながら、もう一度髪をシャンプーした。

「Gは逃げようとして壁から壁に飛んでいるだけで、壁に向き合っている人のほうに飛んでいるように見えるだけ」という人もいる。
でも、壁の隙間に隠れられたのに、まだ人がいるのに出てこなくてもいいじゃないか。
それもシャンプーが終わった後のタイミングでぶつかるなんて、嫌がらせとしか思えなかった。

二度目は、最近のことである。
帰宅して電気をつけたら、カサッと天井で音がして、Gが天井と丸い照明器具の間から出てきた。
私が棒を持ってくると、Gは戻ろうした。
でも照明器具が熱かったようで、ふちをぐるぐる回るだけだった。
とりあえず、床に落とそうと、棒でつつこうとした。
Gはブーンと、私にむかって飛んできてカーブをえがき後ろに回って、見えなくなった。
逃げるのなら私と反対側の壁に飛べばいいじゃないか!
絶対に嫌がらせだ!

私  「Gはどこ?どこ?どこ?」
同居人「……背中に止まってる」
私  「いやああああああ、取ってーーーーーっ」
同居人「無理。ごめんね」

その直後、腕を何かが這う感触があり、振り回すとGが落ちた。
同居人が私よりGが苦手なことを知っていたに違いない。
絶対に嫌がらせだ。

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