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駅長に適した生き物

私は猫が好きだ。

つまみたくなる柔らかい三角の耳・ビー玉のような丸い綺麗な目・そんなに小さくて息ができるのかと思うような可愛い鼻・その下の笑ったような口・口の中に入れるのを時々忘れている舌・愛らしいぷにぷにの肉球がある足・顔を埋めたい柔らかいお腹・誘うようなかわいいしっぽ……、ああ、どの部分も魅力的だ。

しかし、猫にもいろいろなタイプがある。
どちらかというと、やせた逆三角形のキツネ顔よりも大福のようなタヌキ顔がいい。
しっかりした抱き心地がするドスッとした体型の猫が好きだ。

天国に行った和歌山電鐵のタマ駅長は、なかなか好みの体型をしていた。
いや、天国に行ったのではなく、猫神様になったのかな。

タマ駅長のテレビを何度か見たけれど、若い頃よりも歳を重ねたほうが風格があった。
猫にしては珍しく帽子やマントを着てくれた。
猫に帽子を被せたらかわいそうだと思うのだが、やっぱりかわいかった。

タマ駅長は大勢の人間が平気な猫だった。
「平気だから駅長に任命した」と、昔、社長が言っていた気がする。

>たま駅長の後継には、ニタマ駅長を指名し、「たまⅡ世駅長」を襲名させ、通称として「ニタマ」を名乗らせることにしました。結局順当にニタマ駅長が「たまⅡ世駅長」を襲名ということになりました。実は、たま駅長の後継候補は、ニタマ伊太祈曽駅長と、岡山電気軌道の「たま電車」にある和歌山応援館、館長代理のSUNたまたま(雌・2歳)がいました。(和歌山電鐵 社長 小嶋 光信氏のメッセージより)

高齢のタマがいなくなったことを考えて、人ごみを嫌がらない三毛猫達を雇ってあったようだ。

「ニタマ」は、最初「煮卵」を連想して茶色の猫かと思ったが、「たまに似た猫」という意味で三毛猫である。
長毛な洋風の猫で、和風のたまとは雰囲気が少し違うが、抱くとズッシリ重そうなところがいい。

「SUNたまたま」は、まだまだ子供だ。
これからまるまると育って欲しい。

近所に猫を外飼いしているお店がある。
キツネ顔で美人とは言えない猫だが、愛想が良くてお客さんにモテモテだ。
今日、初めてその猫がひとりぼっちだったので、頭をなでようと手を伸ばした。
猫は私の指のにおいをかいでから、頭を豪快に私の手の平にすりーーーーっとこすりつけたので、背中までなでることになった。

ふわふわの柔らかい猫の毛。
ああ、気持ちがいい。
愛想がいいね。
キツネ顔でも、可愛いよ。
大好きだよ。

ウチの近所の駅長も猫にならないかな。

ところで、猫が駅長ぐらいでおどろいてはいけないのだ。
イセエビが駅長の駅もあるようだ。
私はそれを聞いたとき、「イセエビは駅長に向いてない」と思った。

顔の表情がわかりにくいじゃないか!
というか、イセエビが複数いたら、私には顔の見分けがつかない。
帽子もかぶれないぞっ!
駅長として許せる生き物は、魚までだと思う。

……しかし、「伊勢ぇび駅長のブログ」を読んで、私の考えは変わった!

伊勢えび駅長は、たまの訃報を聞いて朝ご飯のアサリを食べなかったらしい。
むむむむむ、朝ご飯を食べてしまった私より、センシティブではないかっ!
その後、「テレビの取材で緊張してカチコチになっていた」という記述が私の感動のツボを突き刺した。

すばらしい!
今のところ日本で一番カチカチになれる駅長ではないか!
なんと私の頭の中身が固かったことよ。
反省しよう。

伊勢えび駅長のことが知りたくなって、過去のブログまで読む。
ちょっとだけ、伊勢えび駅長が嫌いになる。

担当の人が、伊勢えび駅長のお友達にと水槽にクマノミを入れたのだが、駅長は仲良くせずに食べてしまった。
そうしたら担当の人は、もう一度別のクマノミを入れたのである。
また食べられるかもしれないのに、かわいそう。

しかし、そこで私は気が付いた。
クマノミはかわいそうだけど、アサリはかわいそうじゃないのかと。

あああああ、私の頭の中身が固かった。
水族館でも大きさの違う魚を同じ水槽に入れてるじゃないか。
小さい魚が食べられないように、大きい魚にたっぷり餌を与えて満腹にさせているんだよ。

伊勢えび駅長がんばれ!
クマノミがんばれ!
アサリもついでにがんばれ!

もしタッチすると喜んで殻を手にすりつけてくるような愛想がいいアサリがいたら、駅長になって私を感動させて欲しい。

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