お風呂に入って疲れを洗い流し、ぽかぽかの体にバスタオルを巻き、気分よく引き戸を開けようとした。
ガリッ
引き戸の上から音がして、手を止めた。
何か挟まっているね。
なんだろう。
きっとホコリだな。
戸を開ける。
それは予想外の大きさで、上から落ちてきた。
なんとか顔はさけたが、胸元にぶつかった。
床に落ちたそれをよく見ると、……ヤモリのミイラだった。
ティッシュでつまんでポイしたのだが、手に固さと冷たさが伝わってきた。
ぞぞっ
こんなミイラが完成するまで、気が付かずにその下を通っていたなんて!
ヤモリの呪いでヤモリ人間になってしまわないか、心配している。