記事一覧

岩石ガール怒る

〇〇ガールという言葉がある。
ウィキペデイアによると、森ガールは「ファンタスティックな文脈で『森にいそうな女の子』をテーマとする、ゆるく雰囲気のあるモノを好む少女趣味のありよう、またはそのようなファッションスタイル」で、山ガールは「かつての登山用品とは異なるファッショナブルなアウトドア用衣料を身に着けて山に登る若い女性」だそうだ。
最近、「石ガール」という言葉も出てきたようだ。
「鉱物を愛する女子」らしい。
ガールという年齢ではないけれど、私も参加したいな。
大き目の石も好きなので、「岩石ガール」のほうがいいかなあ。

岩石ガールは、ニュースを見て怒った。

>2012.7.15 15:13 MSNニュース

>和歌山県警新宮署は15日、世界遺産の「那智の滝」でロッククライミングをしたとして、軽犯罪法違反の疑いで、アルパインクライマーとして世界的にも著名な佐藤裕介容疑者(32)=甲府市西高橋町=ら男3人を現行犯逮捕した。

>同じく世界遺産の熊野那智大社は、那智の滝をご神体として敷地への立ち入りを禁止。朝日芳英宮司(78)は「2700年の歴史上、こんなことは初めて。ご神体として祭られているところに入るなんて宗教を侮辱されたようなもので、宮司として絶対に許せない」と話している。

>ほかに逮捕されたのは、東京都国分寺市東元町の会社員、大西良治容疑者(35)と愛知県春日井市上田楽町の団体職員、宮城公博容疑者(28)。新宮署によると、3人は那智の滝の滝つぼ近くにある「立入禁止」の札がかかった柵を乗り越え、滝の約3分の2の高さ約100メートルまで登った。

那智の滝は、御神体だ。
御神体にもいろいろあって、人間が絶対に触れてはいけないものもあるし、触れて親しむものもある。
那智の滝に、私は行ったことがある。
竜が住んでいそうな雰囲気の神聖な滝だ。
神社好きの知人は「マイナスイオンを大量に出しているような滝」だという。
私は信心深くはないが、美しいものが好きだ。
美しいものは大切にしたい。

このニュースの感想を回ってみると、「御神体は滝なんだから、つまり水でしょう。岩は登ってOK。(一休さん)」、「クライマーなら賞賛はしなくとも、一般人みたいに否定するのはやめましょう」という意見があった。
日本フリークライミング協会理事(競技委員長)、日本山岳協会理事である北山真氏個人の意見である。(日本フリークライミング協会・日本山岳協会の意見ではない)

前日には、幻想的な那智の火祭りがあった。
巨大な松明で、神様を滝までお迎えしたばかりだった。
滝を大切にしている人達(神主さん・地元の人・他県からの参拝者・滝が好きな人達)の気持が、分からないようだ。
他人の気持ちを傷つける行為は、きっと自分に返る。
滝の水が好きな「滝ガール」は「私が滝を見に行ったときに、おっさんが滝にへばりついていたら、嫌だ」という日記を書いていた。

那智の滝は観光客が多い。
見つからずに登るのは難しいと思うのだが、どうして100メートルも登れたのだろうと思っていたら、神社の人が止めても登り続け、警官が来てやっと登るのを止めたらしい。
警察が来るとは、思ってなかったのかな。
それとも、警察が来るまでに登り切れると思っていたのかな。
岩石ガールの私は、You Tubeの画像を見て「あーーーーーっ、木をばっさばっさ引っ張ってる!あのせいで、何本か木が抜けてしまうぞ!」と、滝から美しさが減ることに怒った。

「探偵ファイル」というHPの「那智の滝に登り逮捕の登山家らは変態集団!その正体」を読んだ。
この三人が上まで登らなくて本当に良かったと思った。
人から変態と呼ばれる行為は、自分の家の中で行ったほうがいいよ。

このニュースの感想を聞くことで、波長が合うか合わないかが分かる。
リトマス試験紙のようなニュースだ。