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インパクトがあった本

七尾与史さんのドS刑事「風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件」「朱に交われば赤くなる殺人事件」二冊を読んだ。

本屋の中をふらふらと歩きながら、本の表紙からオーラを受け取っていた。
ワカマツカオリさんのイラストが気に入ったので手に取り、裏表紙のあらすじの『しかし「ドS」な美人刑事・黒井マヤは現場で「死体に萌える」ばかりでやる気ゼロ』と書いてあったので、「おお、名前が似ている。これも何かの縁だろう」と思って買った。

さらさら読んだ。
★ネタバレ注意!★
黒井マヤは、すさまじい。
美人の巡査部長だが、口が悪く性格が非常に悪い。
父親が警察庁のナンバー2なので、マヤを怒らせた人間は父親の権威で僻地に飛ばさせる。
焼死体は焼き加減をうっとりとチェックするし、人の苦しむ姿を見て「ヒャヒャヒャヒャヒャ」と笑う。
被害者の爪や歯や血まみれのアクセサリーをコレクションしているし、死体の倒れ方を「美しくない」と変えてしまう。
何よりすごいのが、……死体が増えて欲しいので、連続殺人事件を解決する気が無い。

すごい。
今までに汚い手を使って、事件を解決する性格の悪い刑事の話は読んだことはあるが、事件を解決したくないというタイプは初めてだ。

この本を読んだ感想をいくつか読んでみたが、マヤの性格が許せるか許せないかで分かれてしまうようだ。
マヤが死体が増えて欲しがっていることを、私は最初は許せないと思った。
しかし、「これは、ミステリー小説じゃなくてホラー小説だ。隠しているかもしれないが、マヤの祖母が悪魔なら、この程度の性格の悪さは当然だ」と思い直し、許せる派になった。

この小説には美男美女が多く登場する。
主人公はイケメンの代官山で、暴走するマヤのお守をしながら、天才的なマヤの推理を推理して事件を解決する。

「風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件」では、アニメのセリフを言うダンディな上司がウザかったが、「朱に交われば赤くなる殺人事件」では、メイクすれば美少女になるような美青年の東大出の警部補・浜田がかわいかった。
浜田は、頭はいいのだがドジっ子なので、マヤにデコピンされて血まみれになったりする。
でも、ドMなので嬉しそうだから……いいか。
代官山がマヤと浜田のお守をしながら、マヤの推理を推理して事件を解決するのだが、……彼もひどい目にあってしまう。
私としては、三人このままワイワイ仲良くしてほしい。

次も文庫本が出たら、買おうと思う。

読書傾向が似ている人のブログを参考にして、漫画を選ぶことがある。
絹田村子さんの「花食う乙女」が、とても面白かった。

★ネタバレ注意!★
谷口遠子は占い師である。(←どちらかというと、ドジっ子の超能力者)
空腹だと当たらないし、満腹でも正直に言いすぎて客に逃げられる。
野草を食べて空腹をしのぐのだが、薬用植物園に迷い込んで毒草を食べ、ドSの研究者宇佐美に捕まる。
遠子は薬用植物園で働きながら、問題を起こしながら解決する。

宇佐美は美形のドSだ。
マヤほど性格は悪くないが、嫌がらせが趣味である。
野菜を食べない偏食のせいか、ときどき痔になる。
遠子のブラジャーを植物園の人に公開してしまうようなところもあるが、それでも憎めない。
遠子と宇佐美の間には、愛情があるんだなーーーーーーと、本の最後で特大胸キュンしたっ!
(ただし、愛情が恋愛になるかどうかは不明。)
宇佐美の悪友・羽村も魅力的だし、三人でこのままワイワイ仲良く……アレ?

私が、性別にかかわらず美形ドSとドジッ子が出てくる話が好きだということが、よくわかった。

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