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とにかく、苦手なのだ

松浦さんの前歯が、骨付き肉のせいで、ちょっと欠けたらしい。
私の知人二人は、お箸とスルメで前歯を折ったよ。

私は、歯医者が怖い。
痛いから、ものすごく怖い。

皆が、「麻酔したら、痛くないよ」という。
私が通う歯医者は、「それぐらい、しなくても大丈夫」と麻酔をしてくれない。
あなたが大丈夫でも、私はそうではないのだ。
きっとサドに違いない。

私は、いままで麻酔をして歯の治療をしてもらったことがない。
神経を取ったこともない。
でも、歯を削られて、痛くなかったことが無いよ。

別の歯医者に行けばいいのだが、「下手だったら……」と思うと、とても怖い。
サド先生は、腕は良いのだ。
麻酔ぐらいサービスしてくれたら、いいのに。

でも、私が怖がりだから椅子の上で騒ぐのに、「もう、帰れ」と言わずに、今までに4本も治療してくれたので感謝している。

口の中を鏡で見ていたら、虫歯になってるような気がしたので、放っておいたら我慢できないほど痛んでくるかもしれないと思ったら、何だか痛い気がしてきた。
あああああ、鏡で見なければよかった。 

しかたなく、歯医者に行った。
麻酔を頼んだ。
サド先生は、ちょっと優しくなっていた。
「痛かったら、麻酔しましょう」
あああああ、ありがとう!
嬉しい~。

……結局、我慢させられ、今回も麻酔無しで治療した。

さよなら、グリフィス

私は、パソコンに名前を付けている。
4歳のデスクトップ型には『鉄人』、2歳のノート型には『ガンダム』である。
二人とも手がかかるが、とても可愛い。

ネット回線のサービスから「windows Vistaのサポートが、4月で終了するからウチも Vistaのサポート終わります~」とお知らせが来た。
鉄人には、windows 7は、ちょっと苦しいかな。
どうしようかな~。

実は家には、10歳のデスクトップ型『グリフィス』がいる。
世の中についていけなくなり、部屋の片隅で埃をかぶっていた。
さみしいのだが、住宅事情を考えて、グリフィスとはお別れすることにした。
リサイクルマークが無いパソコンなので、いろいろ手間がかかる。

最初は、無料で引き取ってくれるという所に、送ろうと思っていた。
連絡無しで、宅配便で送るだけでいい所もあるらしい。

ハードディスクは、抜いておくことにした。
秘密を守るというよりは、十年前のパソコンの中に、どれぐらい埃がたまっているか見たい。
ついでに、ハードディスクも分解してみたい。
ネジを見れば外してみたい年頃である。
星型のネジも外せる特殊なドライバーも、購入しておいた。

ふふふふふ。
グリフィスの体から、ハードディスクを取り出すぞ!
グリフィスに近い型のパソコンのハードディスクを交換しているHPがあったので、それを参考にしながら行う。
多分DVDドライブの下にあるはずだ。

カバーを、かぱっ。
おや、埃はそんなに無いね。
小さな部品が、美しいじゃないか。
しばらく、うっとり見つめていた。

ネジを外して、何かの線を3個引き抜いて、DVDドライブをはず……したいのだが、はずれない。
もう、外すネジは見えないのだが、外れない。
グリフィスが生まれたメーカーのHPページには、『パソコンを廃棄する時は、ハードディスクを物理的に破壊したほうが安心です』というようなことが書かれていた。
ならば、外し方も書いて置いてくれればいいのにっ!

仕方がない。
DVDドライブの下に手を突っ込んで、(多分ハードディスクの)何かの線を二つ外す。
その時に、左手を何かで引っかいて、ケガをした。
痛っ!

気を取り直し、ハードディスクが入っているはずのトレーを引っ張る!
出ろ!
……出ずに、トレーのツメが折れてしまった。
それで、ペンチでトレーを挟んで、苦労してハードディスクを引きずり出すことになった。

さて、ハードディスクの分解だ。
これも、分解の様子を掲載しているHPを参考にした。
とにかく隠しネジが、たくさんある。
シールをはがすと次々出てくるので、根気よく外す。
全部外したら、がっちりとくっついている隙間に細いドライバーを差し込んで、開くのである。
すると、ぴかぴかの鏡のような円盤が入っていた。
おお、なんて美しいのだ。
あちこちネジを外して、円盤を取り外した。

参考にしたHPの人は、円盤をコースターと壁飾りにして、記念に残して置くようだ。
じゃあ、私も(コースターにしては大きいので)鍋敷きと壁飾りにしようかな。
これが、グリフィスのハートだと思うことにしよう。

さて、いろいろ楽しんだ後で、グリフィスをどこに送ろうか検索していた。
すると『私は、メーカーで有料で処分してもらいます。だって、無料で処分してくれるところが、絶対に信用できるとは限らないでしょう。自分のパソコンが必要な部分だけ抜き取られて、野ざらしになっていたら可哀そうでしょう』という言葉にショックを受けた。
そうだなあ、野ざらしは、嫌だなあ。
そして、『自分のために働いてくれたパソコンぐらい、お金をかけて処分してやれ』という言葉に、ダメ押しされた。

やっぱり、メーカーで処分してもらおう。
メーカーのHPでリサイクルを申し込むと、払込票が送られてきた。
それを郵便局のATMで支払うと、着払いのエコゆうパックの伝票が送られてきた。
これを、グリフィスの体にぺたっと貼ればいいのである。

ここで一つ困ったことが、説明書に書かれていた。

>パソコンの梱包 厚手のポリ袋(薄手のポリ袋は二枚重ね)や、ビニール袋等の破れにくい袋、もしくは段ボール箱
発泡スチロールなどの緩衝材は不要ですので入れないで下さい

パソコンを送るときの梱包の状態がイラストで描かれていたのだが、生ごみのようにビニール袋に入れられてたり、段ボールにそのまま入れてあるだけなのだ。
それでは、配達の人が運びにくいし危険ではないかっ!

検索してみたら、緩衝材を使わずに、大き目の段ボールを切るか複数の段ボールを組み合わせて、パソコン全体を包んで紐で縛るのが一番いい方法らしい。
苦労してグリフィスを包んで縛ったら、カマボコっぽくなった。
でも、これで配達の人は大丈夫だと思うので安心して送れる。

グリフィスを、メーカーに送った。
私のために働いてくれてありがとう。
よくフリーズして、強制終了を何度もしたけど壊れない丈夫な子だったね。

さよなら、グリフィス。
包むのに四苦八苦したので、悲しんでいる暇が無かったよ。