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遺伝子の船

私の心の師匠である西原理恵子さんの『生きる悪知恵・正しくないけど役に立つ60のヒント』(文春新書)を読む。
生真面目に悩まずに、ついていいウソはついて、どうにかして生き残れ……かな。
「生きてるだけでまるもうけ」だもんね。
すばらしい。
前向きになれる本だ。

本の最後の既刊の紹介のページに、私のもう一人の心の師匠である竹内久美子さんの『同性愛のなぞ・なぜクラスに一人いるのか』があった。
しまった、そんな本が出ていたとは気が付かなかった。

本の話WEB 竹内久美子 自著を語る

http://hon.bunshun.jp/articles/-/468

読んでみた。
思いっきり力わざで結び付けようとする竹内久美子的な部分もあるが、面白くすらすら読めた。
私が感じたことを書く。

人間とは、遺伝子の乗り物の船のようなものである。
同性愛の人の船は、遺伝子を次の船に乗せることはできないが、身内の船が進むのを押す役割を持つ。

『同性愛のなぞ』の感想を見て回ってみると、同性愛の人からは「私はそういう存在ではない」と評価が悪いことが多かった。
それは生物学者が「人間はタンパク質と電気信号でできていて、魂など無い」と言うのと、魂の存在を信じる人達が対立するようなものだと思う。

私は、亡くなった人達が生きている人達を見守っている話は、とても好きで否定するつもりはないが、……人間は、遺伝子の乗り物だと思う。

「同性愛のなぞ」を読んだ後、竹内久美子さんが『女だけが楽しむポルノの秘密』の翻訳本を書いていることに気が付いた。
ポルノとは、『男同士のポルノ』である。

悩んだ。
竹内久美子さんが書いているんじゃないんだ。
買おうかな。
どうしようかな。

ペンギンデバイス(仮)さんの感想を検索して見つけた。

『女だけが楽しむポルノの秘密』~内容よりも「スラッシュ通」になった大学教授に乾杯なのだ

http://blog.goo.ne.jp/yashinomi_may/e/1b8d59208dbee9e3700c9bf26dbb46be

>しかし、結論そのものよりもおもしろかったのが、女性の性的衝動を研究しているドナルド・サイモンズ氏がキャスリン氏から「スラッシュの研究をしたい」と相談を受けてからのくだりを書いたプロローグである(笑)。

>さてさて、キャスリン氏から研究の指導を依頼されたものの「スラッシュって???」状態だった御年65歳のサイモンズ氏。
> キャスリン氏から「スラッシュってのは、一種のロマンス小説のようなもんで~結構性的な描写が多くて~女性によって女性向けに書かれてるんですけど~そのお話の中で愛し合ってるのは男性と男性なんです~。真のスラッシュ小説ってのは、主人公はメディアに登場するペア、たとえばカー○船長とミスター・ス○ックとか、ホー○ズとワ○ソン博士とかですね~」(セリフはイメージ)と聞かされ、びっくり仰天!

きゃああああああああっ!
買います!買います!
キャサリンさんに振り回されるサイモン氏に萌えっ!
実は、私は竹内久美子さんとその師である日高 敏隆さんの対談にも萌えていたのです~。

>結論として、著者のキャスリン・サーモン氏はこう語る。

>「スラッシュ小説を好む女というのは、ロマンス小説における、戦士の妻や恋人になるという空想よりも、スラッシュ小説における、共に戦う戦友になるという空想を好んでいる。」

↑在庫が少なくなっていて手に入れるのが難しかった。
私がこのタイプの読者であることも納得できたので、読んで良かったと思う!
でも、ペンギンデバイス(仮)さんの感想のほうがずーーーーーっとずーーーーーっと面白くて萌えたよ!

その後、西原さんの「できるかなゴーゴー!」を読んだ。
あいかわらずパワフルで、びっくりした。
エベレストの途中にいたり、ガーナで自分の棺桶を作っていたり。
棺桶と言っても、遊園地の乗り物のようで、カラフルで可愛いと言えなくもない。
『パワフルなびっくり』がいっぱい詰まっていて、読んで良かった!

その次に、西原さんの『スナックさいばらおんなのけものみち』(角川書店)を読む。
『生きる悪知恵』に内容は近いかもしれないと軽い気持ちで読んでいたら、167ページで泣きそうになった。

>鴨ちゃんが亡くなった時に、高須先生も言ってくれたんですよ。私の息子を指さして、「いいですか、西原さん。人は遺伝子の船です。あの新しい船に乗船しているほこらしげな鴨志田さんをごらんなさい。彼の命はもう、新しい船に乗っているんですよ」って。
>新しい命は遺伝子の船。

高須先生って、西原さんの漫画でしか知らないので今まで『何でも大金で解決する自分大好き男』だと思っていたけど、本当はすごくいい人だと思った。
西原さんと高須先生が熱愛しているいうニュースが流れたけど、恋愛を超えた超友情みたいな関係かもしれないと思った。
熱愛友達だね!
いや、別に恋愛関係でもいいんだけど。

私の考えでは、恋愛と友情の違いは、『恋愛は相手を独占したいけど、友情は相手を独占したいとは思わない』である。

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  • 夏川・松浦 URL 2013年04月07日(日)00時25分 編集・削除


    私の「恋愛」はすべて「友情」だったのかっ!
    独占よりも、相手の快適さを優先するキャラが好き……w

    黒井美花 2013年04月10日(水)02時17分 編集・削除


    >私の「恋愛」はすべて「友情」だったのかっ!

    そそそそそれは、『松浦さんの実生活で、恋人を独占したいと思ったことはない』ということですかっ!

    私と友人達は、価値観や考えが似ていて、一緒にいて楽です。
    私の恋人や片思いの相手は、いつも同じような外見と性格で、友達としては合わないかも。

    もしかすると、私の中の遺伝子が欲している「正反対のタイプ」なのかもしれません。
    価値観が合わないからこそ、ドーパミンを出し「脳の風邪ひき状態」にしてくっつけようとしてる……とか。
    恋愛してる時は、独占したくなり、独占して欲しいとも思い、二人きりにもなりたくなります。
    でも、恋から覚めたら「あれ?私、なぜあんな性格の合わない人にドキドキしていたんだろう?」に戻ります。

    BL小説の攻めは、動物の群れのボスのようなタイプが人気だそうですが、私や友達の好みのタイプは全然違っていて、互いに「変なタイプが好きなんだね~」と言い合ってました。

    それで、私の場合、「恋愛感情は一時的なもので、友情より不確かなもの」と思うので、恋愛感情がずーっと続くカップルがいれば、ステキだと思います。
    恋愛状態の時は、相手のためには何でもできると思いますが、友情で相手のために何でもできるほうがすごいと思うのです。
    友情も無くて初対面で眼球を舐めるのが、一番すごいですが(笑)。
    恋愛も友情が無くても、愛があります!

    自分と価値観が合う人を恋人にする場合は、『脳の風邪ひき状態』にならなくても、恋愛できますよね~。

    夏川・松浦 URL 2013年04月11日(木)20時01分 編集・削除


    実生活でも独占欲強いほうじゃないかもw
    自分だけの時間も欲しいし、相手も1人遊びのできる人のほうが助かります(笑)。

    黒井美花 2013年04月16日(火)01時16分 編集・削除


    そう言われたら、松浦さんらしい気がしてきました。