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頭が固くて困る

うっとりするものが増えてきた。
昔は、花・景色・動物・鉱物・美男などに反応していたが、基盤・ネジ・夜の工場など、ある程度規則的なものにもうっとりするようになった。
蛇が電柱で感電することが多いという新聞記事を読んでから、「なぜ鳥は感電しないのに蛇はするのか」などを調べているうちに、美しい配列の電線があることにも気が付いた。

小説を読んでいて、自分が興味がある部分が詳しく説明されていると、気になってしまう。
どうも私は頭が固いので、ある小説の最初で、登場人物が推理して解決したことに納得できなくてモヤモヤした。

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マンションの三階で殺人事件があった。
マンションの壁面は凸凹のない滑らかなタイル貼りで、ベランダの目隠しは鉄格子でなく、上から下まで何の掛かりもない、コンクリート製。
その部屋の近くに電柱は無い。
犯人は電信柱に上ってから、電線をつたってベランダまで入った。
最近の電線(低圧線)はきちんと皮膜されているから大丈夫。
体重をささえるのは、線一本では危険だが、カラビナなどを使い、何本かに分散させれば可能。
低圧線が張られているのは、ちょうどマンション3階ぐらいの高さ。
犯行現場の隣の部屋がケーブルテレビを見るためにベランダに分岐線をひきこんでいた。
そのケーブルをひっぱり電線をベランダまで近づけて、乗り移った。
ベランダ伝いに隣の部屋に移動。
開いていた窓から侵入した。
出る時は、登山用のロープをベランダの手すりにかけて、レンジャー術で懸垂降下。
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そんなことができるのか。
小説の登場人物が「大丈夫」って言っても、モヤモヤする。
必死で考える。

マンションだから、戸別に電線をひきこまずにまとめてひいているのだろう。
電柱と電柱の間の低圧線が、ベランダと平行の位置関係にあるのだろう。
低圧線は皮膜されているらしいが、太陽光線で劣化するらしいので危険なものもあるようだ。
全部良い状態だったとして、金属のカラビナで体重かけながらガリガリこすって皮膜は大丈夫だろうか。
低圧線は、建造物から側面1.2メートル以上離さないといけないらしい。←離隔距離(引っ張って一番近い状態での距離)
犯人はカラビナを空中ではずし、1.2メートル以上を飛び移らなければならない。
私は運動神経が切れているので、よく分からないが、鍛えた人ならできるのかなあ?

しかし、ベランダから近い位置に電線があると、風のある日には洗濯物も干すことができない。
そんな状態ではマンションの人気がなくなるので、なるべく電線を離そうとすると思う。
近所の電線の様子を見てみたけれど、建物のすぐそばに電柱がある場合は、電柱の腕を道路側に長く出して電線を建物から離しているよ。
だから、電線からは飛び移れないほどの距離があるんじゃないかな。
小説の中のことだから、違法なぐらい電線が接近しているベランダがあってもいいんだけどね~。

頭を柔らかくするために、奇抜な方法の侵入を、私も考えてみた。

まず、子猿に「絶対に滑らないゴムシート」を付けた手袋と靴を付けさせ、首輪に長い釣り糸をつける。
タイルの壁をヤモリのように登らせ、釣り糸で地上から猿回しのように指示して、三階の手すりをくぐらせ地上に戻らせる。
すると、手すりに釣り糸を通すことができる。
その釣り糸に、少し太い紐を結んで引っ張る。
手すりにかかっている紐を太くしていって、最終的に、手すりに人間の体重が支えられるロープがかかっている状態にする。
犯人は「絶対に滑らないゴムシート」の靴を履いて、ロープで壁を登る。

あ、いけない。
小猿を虐待している。