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魔女の冷や水

今年の冬は、台所の給湯器のお湯を使わなかった。

テレビのニュースで、クリーニング店の様子を見てからである。

あるクリーニング店は、人手不足なので、外国人留学生と派遣切りで住むところが無くなった人達を雇った。

外国人留学生は仕事を続けるのだが、日本人は「水が冷たいから」と言って、ほとんどが止めていくそうだ。

「水が冷たい」といっても、雪山の川で洗濯をしているわけでもなく、建物の中で大きな流し台の上に置いたカーペットにシャワーで水をかけているだけのようにも見える。

我慢が足りないのじゃないか。

そう思ったが、自分も、食器を洗うときに、冬は湯を使っていた。

そんな私が、我慢が足りないなんて言えない。

食器は水で洗うことにした。

冷たい。

非常に冷たい。

指が凍りそうだ。

ものすごく辛かったが、数回で脳が給湯器の存在を無かったことにしたらしく、もう平気だ。

あれ?いつも冬になると手荒れがひどいのに、今年は大丈夫だ。

これからずっと、食器は水で洗うことにする。

お湯は、お風呂だけで十分だ。