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先生を信頼する私

口の中をデンタルミラーでチェックしていると、虫歯を見つける。

歯と歯の間で、歯茎ぎりぎりのところが少しだけ色が変わっている。
ここは削って詰め物をしても、虫歯が再発しやすい場所らしい。

穴が開いていない虫歯には、きちんと歯を磨いていれば進行が遅いものがあるので、削らずに経過観察をしてもいいという先生もいるよね。
よし、少し様子を見よう。

二か月ぐらいなんともなかったが、三か月目に歯がうずく感じがしてきた。
……もうちょっと様子を見よう。

食べると浸みるようになった。
……もうちょっと。

不規則にズキッとするようになる。
……穴が開いていないのに、ズキッとするかなあ?しかたがない、歯医者に行くか……。
二年ぶりだ。

美花「先生!ここが食事をすると浸みて、時々ズキッとするんです!」

先生「はいはい。ここね。うーん、多分、これは着色してるだけだよ」

美花「えーーーーっ!」

先生「じゃあ、これは大丈夫かな?シュー(空気を吹き付ける)」

美花「大丈夫です」

先生「これは?コンコン(叩く)」

美花「大丈夫です」

先生「(針で)ガリガリ。着色してるだけだよ」

美花「えーー、でも、物を食べたら浸みたのですが」

先生「気のせいだよ」

よかったーーーーーーーっ!
浸みるのも、妙なリズムの痛みも気のせいだったんだ。
治療しなくていいのだから、気のせいでいいです。

先生はものすごく優しくなった!
昔は何も言わずに最初から針でガリガリしたのに。

先生「それじゃあ、今日は歯石を取っておこうか。しばらく全体的に浸みるかもしれないけど、気にしないでね」

美花「はーーーい」

ネットで調べたら、精神的な原因や歯ぎしりのせいで歯痛がある人がいるらしい。

しばらくしたら、浸みるところは全く無くなった。
やっぱり気のせいだった。

私って。

木暮荘物語

★ネタバレ注意★

三浦しをんさんの「木暮荘物語」を読む。

全体的には面白かったのだが、一番最初の話で、本を壁に投げつけたくなった。

女の子が今彼と元彼と三人で同居するのだ。
元彼(無計画性で無責任で超あつかましくプライドの無い自称写真家)が、超お人好しの女の子と彼氏のところに「お金が無い」と転がり込む。
元彼は三年半前に何も言わずに彼女の前から消えて外国に行っていたのだが、「別れてないからまだ付き合ってるよね」と強引に家の中に入ってくる。
今彼がいるのが分かっても出て行かない。
脳が腐っているらしい。
なぜ、追い出さないのだ!

感想を回ってみると、なぜか私と反対で「おもしろかった」や「せつなかった」という意見が多かった。
実在の人間だとしても、嫌いなタイプではないのだろうか。
いや、「小説だから」と割り切って読んだのかも。

私は割り切れないほど嫌いだ。
もちろんそんな男性とはつきあったことは無い。
でも友人の彼氏がちょっと似たようなタイプで、「インドに写真を撮りに行きたい」とか言ってた。
友人はその彼と別れた後、誠実そうな男性と付き合ったのでほっとした。

一話であまりショックをうけたせいか、天井穴から覗き見をする男性には「女子大生とくっついてしまえ」と応援したい気持ちになった。

……私の価値観って。

全体的にはおもしろかった。