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幸運の水

断水の時のために、ミネラルウォーターのペットボトルを、6本用意してあった。

賞味期限の日付を確認したら、……全部去年の春だった。

もったいない。

断水が起こらなかったという、幸運の水だ。

できれば持っていたい。

ミネラルウォーターって、賞味期限が切れても、かなり飲めるような気がする。

どれぐらいなら、大丈夫なんだろう。

検索してみた。

「賞味期限が一年前に切れたのが、26本あります。どうしましょう」とか「4ケースあります。何かに使えませんか」とか……私よりダイナミックな仲間が、質問していた。

その答えでは、「ミネラルウォーターのペットボトルには、塩素が入っていないから、賞味期限が切れたら、なるべく飲まないほうがいい」という意見と、「細菌が無い状態でペットボトルに詰められているのだから、腐らないので長い間飲める」という意見が対立していた。

チャレンジャーな人が「二年前に賞味期限が切れたのを、12本飲みましたが、大丈夫でしたよ」と答えていた。

おお、それでは、私のは「自己責任で」あと一年は気持ちよく飲めるね。

「賞味期限が五年前のミネラルウォーターがあるのですが、何に使えるでしょう?」と質問しているお茶目な人もいた。

それに対して、「私は五年前のを飲んだことがありますが、大丈夫でした」と答えたウルトラチャレンジャーがいたし、「五年物に7名挑戦しましたが、全員お腹を壊しました」という興味深い結果もあった。

うーーーむ。

何年保管しようか悩む。

蛙に驚かされる

私は田舎に住んでいる。

窓を開けたらゴイサギや狸がいようとも、道を歩けば蛇やザリガニが歩いていようとも、あまり驚かなくなった。

しかし、昨日は、びっくりした。

雨に塗れた道を歩いていると、私の足元の何百という小石が、四方八方に飛び上がったのだ。

妖怪の小道に迷い込んだのかと思った。

よく見れば、一センチぐらいの蛙が、集団で水田から遊びにきていたようだった。

踏むのはかわいそうだと、注意しながら歩く。

めんどくさいけど、蛙がたくさんいる雨の道はちょっと素敵。

そういえば、今年も玄関にアマガエルが住む季節になった。

縄張りがあるのか、いつも一匹だけいる。

性別は知らないが、アマ子と呼んでいる。

蛙の顔の見分けは付かないので、別の蛙かもしれない。

アマ子は、日光を避けているのか、時々ドアノブの陰にいる。

ドアを開けるときに、アマ子を一緒にふにっと握ってしまうことがある。

びっくりするけど、アマガエル付きの玄関ドアは、ちょっと素敵。

妖蛾が来るぞ

私は、ルーズである。

開けっ放しの洗濯機に衣類を投げ込んで、一日一回洗濯をする。

先日の事である。

洗濯物を干そうとして、最後の一枚を洗濯機から取り出したら、……4センチぐらいの蛾がいた。

血が冷たくなった。

仕方が無いので、ティッシュで摘んだら、びちっと動いた。

血が凍った。

洗濯しても、生きているのかっ!

妖蛾か!

それとも、蛾も死なないように、洗濯機がゆるーく洗ったのか!

どっちだ!

いや、この蛾に毒があるかどうかが、もっと問題だ!

あああああああ、羽は裂けてるし、模様も分からない。

洗っちゃったせいだよ!

洗濯物は捨てたかったけど、……あと二回洗濯して、忘れることにした。

私と同居人の皮膚には何も起こらなかった。

ああ、よかった。

これからは、洗濯機のフタはきっちり閉めておこう。

妖蛾が来るぞ。

桜は咲いたのに、君はいなかった

毎年、ウチの近所には、三月末に、ツバメ達がやってくる。

でも、今年は桜が咲いているのに、まだ来ていなかった。

どうして?

今年は寒いから?

気の早い人間の子供は、半袖の服で桜の木の下を走り回っているよ。

福島原発が、一時間あたり一万テラベクレルも放射性物質を放出したから?

一万テラベクレルって、10,000,000,000,000,000ベクレルと書くらしい。

もう、びっくりしちゃったよ。

そんな日本には、来たくないのかな?

検索したら、「ツバメが来るのが遅い。地震と何か関係があるのか」と心配している日記が、いくつかあった。

ツバメが来ているところも、少しだけ、あった。

こちらには、来ないのかな。

毎日、待っていた。

そして・ついに・今日、2羽のツバメが、近所の家に戻ってきた。

この辺は、虫が多いので、雛はすくすく育つ。

うるさいけど、雛は可愛い。

もっとたくさん戻っておいで。

私も、カラスを追い払ってあげるから。

一緒に雛を、むっちりと太らせよう。

セキュリティソフトのソフ子

私のデスクトップパソコンには、ずーーーーっと、セキュリティソフトのソフ子が住んでいる。

数ヶ月に一度「無料バージョンアップだよ!しないと大変なことになっちゃうぞ~!」と騒ぐ。

バージョンアップすると、画面のアイコンも使い方も変わってしまうので、ちょっぴり面倒だ。

ソフ子は、絵的には控えめで、メッセージが陽気なタイプだった。

ところが、今回のバージョンアップのメッセージは、「無料でバージョンアップできるわよ」と、そっけなかった。

「プログラマーが変わったのかな?」と思った。

オールド・ソフ子は、かわいそうだが、アンインストールしなくてはいけない。

ぽち。

……というわけで、「見た目は地味で、陽気な」ソフ子が去って、「見た目は派手で、そっけない口調の」ソフ子デラックスが、私のパソコンにやってきた。

なんとなく、前のタイプのソフ子のほうが、可愛かった気がする。